ハウジングから絞りを通して0.3Mpa~0.7Mpaの圧縮空気を軸受面に噴出させ、発生した静圧によりローターを浮上させる事により非接触での回転運動を行う軸受です。
精度を要求される装置に組み込まれ、産業機器の性能向上に役立てられています。
高精度縦型施盤、平面研削盤の主軸など
レンズ形状測定器、真円度測定器の回転テーブルなど
エアベアリングの回転精度は0.05μm以下で、ボールベアリングに比較して極めて高精度です。
さらに高精度を求めるときに重要なのは、その再現性が0.01μm以下で、それが半永久的に維持できる事です。
精度要求に対しては経時変化の少ない材料を選択し、適切な工程で製造する事が重要です。
カーボン系の多孔質材の採用により回転中のエアアクシデントによる焼付き、再生不能を解消しました。
高耐久性の実現により安心してラインでご使用いただけます。
※カーボン系多孔質材の自己潤滑性 … カーボン系多孔質材(多数の細孔(微細な穴)をもつ物質)がもつ、摩擦・摩耗が起こりにくい性質
※エアアクシデントによる焼き付き、再生不能 … 誤操作等による機械の衝突や停電その他によるエアの遮断により軸受部が接触して焼きつきを起こし、グラファイトが損傷して再生できない状態
エア消費量が少ないためエア・コンプレッサーの小型化が可能となり、経済的です。
多様なサイズを展開し、600Rに於いては、キヤノン独自の片側静圧構造により、全高を極限まで低く抑えた省スペース構造を実現。
※片側静圧構造 … 上側1枚のみでスラスト方向を拘束する構造